運営委員紹介3.

闘うイラストレーター。1970年、埼玉で生まれ、高校までを糸島で過ごす。少年時代は、名探偵に憧れ、絵を描くのが好きだった。

2001年の9.11テロから、反戦運動に入り、その後も脱原発、環境問題、反グローバリゼーション、反安倍アクションなど、継続的に活動を続けてきた。関わった団体は、「chance!福岡」「債務と貧困を考えるジュビリー九州」「たんぽぽとりで」「みどり福岡」「フリーターユニオン福岡」ほか多数。福岡サウンドデモ裁判の原告でもあり、表現の場としてのデモを重視している。サウンドデモの形態を福岡に根付かせ、そのフロントマンとして活躍、福岡の市民運動の色を塗り替えた立役者と言える。本業でもあるイラスト、デザインでも市民運動やNPO、NGOのチラシやポスターを担当し、ヴィジュアル面からも支え続ける。

10代からパンクロックに影響を受け、その反骨精神を育ててきたが、彼の描く絵はやさしさと繊細さに満ちている。それはそのまま彼の人物像とも一致しており、権力や強いものへの反発の強固さと裏腹の(自分を含めた)弱き者への慈愛なのだろう。

「人は間違うもの」、それが前提で彼は声を上げ続ける。もしかしたら、自分も間違っているかもしれないという疑念や、人は知らずのうちに誰かを傷つけ差別をするもの、声を上げ続けても変わらない現状につぶされそうになる時も、それを抱え込んで路上に立つ。

華やかなパフォーマンスとは真逆に、性格は地味。どんなちいさな小ネタにも妥協をしないので、運動仲間から「面倒くさい」と思われることも(笑)「神は細部に宿る」、小さなことを積み上げ、世界を変える、ロマンティストで面倒くさいやつ、それがいのうえしんぢだ。

(古瀬かなこ)