選考委員紹介2.

選考委員☆彡 小倉利丸さんプロフィール (富山大学名誉教授)

 

 経済・宗教・思想・政治・労働・アート・音楽・管理社会・ナショナリズム……など、幅広くかつ先鋭的な研究や論考で、いつも私たちの問題意識にゆさぶりをかける人。かつ、世界の市民・アーティストの街頭表現を紹介し、自らも街頭に立つことをいとわない人。著書多数。今までの集大成的な著作は 『絶望のユートピア』(桂書房 2016年)

 市民の裁判の先輩としては、富山県立近代美術館問題(注)は多くの美術家や市民が「表現の自由」「知る権利」を基におこした裁判だが、15年続いて「一部勝訴」となった。小倉さんは、その運動のけん引役でもあった。この裁判では、横田耕一さんが証人として参加。

 また運営委員らが提訴した「福岡サウンドデモ裁判」では、「表現の自由」について、丁寧でリアルな意見書を出していただいた。

福岡の市民運動との接点も多く、遠路の、薄謝の講演でも協力いただいている(申し訳ありません)。

 

※注:富山県立近代美術館が、1986年「とやまの美術」展に招待した美術家・大浦信行の、昭和天皇の画像を部分的に引用して製作した版画連作≪遠近を抱えて≫を、右翼団体などの抗議により、作品の非公開と売却を決定し、同展の図録を焼却した。2009年、沖縄県立美術館でも同様な事件となる。

※参考文献:『富山県立美術館問題・全記録 裁かれた天皇コラージュ』富山県立近代美術館問題を考える会編。桂書房2001。