選考委員紹介3.

「プロ市民」人権賞の選考委員を紹介するシリーズですが、

今回は「土肥勲嗣さん篇」です~。

 

土肥勲嗣(どい・くんじ)さん=  いのうえしんぢ=

 

:土肥さんと初めてお会いしたのは、いつでしたっけ?

:2001年の911同時多発テロ事件後に実施された、ピースウォークですよね。

:ですね。ピースウォークって言うのは、米軍によるアフガン空爆反対のメッセージを、路上から訴えようとする人たちが集まってデモ行進をやったんですよね。僕はそんなアクションに生まれて初めて参加して。

:その中心メンバーには、福岡の市民活動をやってた人たち、例えば「債務と貧困を考えるジュビリー九州」とか「チェルノブイリ支援運動・九州」という団体のメンバーが集まっていて。

:土肥さんは「アジア開発銀行福岡NGOフォーラム(FNA)」という政策提言型のNGO団体のメンバーだったんですよね。

:そうです。今の日本銀行総裁の黒田さんが財務官のときに福岡に来たり、アジア開発銀行総裁に会ったりと面白かったですね。FNAだけでなく、他にも国際協力系団体のNPO法人「メコンウォッチ」や、熊本県の川辺川ダム反対運動とかにも関心があって。

:川辺川ダムの印象が強かったです。そんな関連団体が共同で借りている「びおとーぷ」という事務所が南区にありましたよね。

:うんうん。「びおとーぷ」では、会議やイベントやらが、たびたびあっていて学部のゼミをサボって参加していました。

:そこから見える運動の世界は、僕にとっては初めてだらけで、当時、九州大学生だった土肥さんはじめ、そこにいる人たちは問題意識をしっかり持ってあって、まぶしかったです。

:へえ。まぶしい存在だったんですかー。だから、それをキッカケにいのうえさんと私は、マジック漫才コンビ「くんじしんぢ」を結成してね…

:いつ結成しました!?知りませんよ!!っていうか、一体どんなジャンルですかマジック漫才って。

:お客さんには、私たちの名前だけでも覚えて帰っていただけたら嬉しいです!

:(無視して)えっとー、そんな土肥さんは今、久留米大学で教えてあるんですよね。

:そうです。だいたい1コマ90分かけて忘年会に使えるコインマジックを中心に教えてます。

:マジックから離れて!

:コインマジックの他には、国際政治学科という枠で、行政学を中心に官僚制や地方自治について授業を進めています。

:単なる学問ではなくって、市民運動の実際の現場を渡り歩いて得た血や肉が、生徒のみなさんにどう響くか楽しみですね。そういえば、土肥さんとは2015年に一緒のイベントにも出ましたよね。

:M-1グランプリですな。

:いやいや、M-1関係ないってば。一緒に登壇したのは、安保法反対運動に関する「デモは社会に何を生み出しているのか」というパネル・ディスカッションですよ。

:SEALDsと同じく福岡の大学生グループの「FYM」や「ママの会」など路上の声が共有された、リアルなイベントでしたね。

:土肥さんとは久しぶりだったので、楽しみな集まりでしたよ。

:楽しみと言えば、これから本のこともあります!

:そうでした。土肥さんが書かれる本「つながる政治学-12の問いから考える(仮)」が出版予定なんですよね。そして僕が装幀(表紙のデザイン)を担当することになっていて、タッグを組んでどんな本になるか今から楽しみです。

:やっぱり「くんじしんぢ」を組んだからこその賜物ですからね。

:知りませんよ。いい加減しなさい。

:ありがとうございましたー。