第三回受賞団体発表

今年も様々な団体、個人のエントリーをいただきまして、ありがとうございました。

第三回「プロ市民」人権賞の受賞団体は

 

「関西クィア映画祭実行委員会」

 

に決まりました。

京都・大阪を拠点に、2005年よりセクシャリティに関する映画を取り扱う映画祭を開催している実行委員会です。LGBTとは、近年よく耳にし、一般的にもおなじみとなった言葉ですが、「クィア」とは何でしょうか。男らしさ、女らしさとは何か、そんなものよりももっと自分で性を選ぶことが自然ではないでしょうか?

自分らしく、典型的であってもなくてもいい、クィア(queer=変)であってもいい。LGBTを超えた、性のありかたの多様性を肯定する、そんなメッセージあふれる映画を通した「みんなのお祭り」を実現しているのがこの実行委員会です。

セクシャリティがテーマですが、問題意識は民族差別、障がい者差別、セックスワーカー差別、貧困など、身の周りの差別と権力構造への対峙に及びます。近年、行政が進んで支持するセクシャルマイノリティの運動の主流の流れとは異なる点が、授賞のポイントとなりました。

性を取り巻くものはとても多様です。ゲイ、レズビアン、トランスジェンダー、バイセクシャル、Xジェンダー、アセクシャル、パンセクシャル、ポリアモリー…、またそのどれにも当てはまらないかもしれません。その人それぞれ、いわば「わかりにくい」のがその人のセクシャリティであって当然なのに、自分らしく生きようとする人をまた別の「型」にはめようとするのが、行政であり、一般的な社会です。自分たちの居場所を本当に探して、求め続ける、その先にこそ、差別をみんなで乗り越えていける社会が待っているのではないでしょうか。その差別を作っている社会構造へ一石を投じる映画祭なのです。

 

「プロ市民」人権賞のこれまでの受賞団体は、第一回が老舗の市民運動団体(大分県、代表男性)で、第二回がインフォショップ主宰者(福岡県、男性)でした。 私たちの人権賞が特定の地域や属性に限定されるものではなく、広がりを感じさせる要素となったのも、第三回受賞者としてふさわしい部分でもありました。

 

授賞式は12月12日福岡市内で(予定)、また、授賞式では団体紹介のVTRも公開予定です。