受賞コメント

「関西クィア映画祭実行委員会」のミフユさん、ひびのまことさんから受賞コメントをいただきました。以下に掲載致します。

 

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これを機会にまた多くの方に映画祭を認知していただけて、 素直に嬉しいです。頂いた賞金を使って、 さらに映画祭を充実させていきたいです! 本当にありがとうございます。

(ミフユ)

 

 女性差別や男性特権、異性愛中心主義、 性別二元主義やシスジェンダー特権。こういった「 性に関わる差別や抑圧、権力構造」 に反対する立場を明示的に表明し、 そして実際に具体的な方針をもって日常的に取り組んでいる社会運 動の現場は、残念ながらまだ決して多くないと、 私は感じています。「シスジェンダーの異性愛フェミニズム」 でさえ主流化していない日本の社会運動の一方で、英語圏の、 つまり世界的帝国主義言語圏の運動現場で使われる「 インターセクショナリティ」 概念を知って元気になる日本の学生も増えています。

 日本の運動現場でも、実は既に様々な声が挙げられ、 運動内の権力に対して抵抗がなされて来ています。 そういった取り組みに対して正当な価値が与えられていないため、 日本の運動現場から学ぶのではなく、 英語圏の取り組みが参照先になってしまっています。

 そして今、いわゆる「LGBT」 が流行となり人々の関心が向けられるようになりました。 こんな構造の中で生きる1人として、いま「LGBT」 やセクマイ運動が注目される時、いったい何が取りこぼされ、 誰が無視されているのだろうかと、私はいつも不安に駆られます。

 また更に、性的マイノリティーの権利運動の現場を含め、 日本人中心主義、在日朝鮮人差別や植民地主義への無関心、 健全者主義、権威主義なども、性に関わる差別と同様に、 あらゆる場所に蔓延しています。「『私たち』 の内部にも差別がある」という認識を持ち、「 社会運動内部の抑圧や権力構造」にも取り組んでいく必要性を、 私も改めて自覚しています。

 今回の受賞が、日本の社会運動のあり方を変えていくための、 きっかけの一つになるのであればと、心から思います。 それぞれの場所で、自分に出来ることを、 これからもやっていきましょう。という意味で、ともに闘わん。

(ひびの まこと http://barairo.net/

 

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関西クィア映画祭の益々のご発展と皆様の更なるご活躍をお祈り致します。そして、ともにがんばってまいりましょう!