第四回受賞者・団体発表

今年も残すところわずかになってきて、何がそうさせているのかわかりませんが…なんとなく気が焦ってしまう季節ですね。

そんな季節に忘れてならないのが、「プロ市民」人権賞です〜。

ということで、お待たせしました!発表します。

 

第四回「プロ市民」人権賞は、早川由美子さんに決定しました。

早川由美子さんは、戦争や原発、人権、住宅問題など様々な社会問題に絡めながら、映像作品を作る、ドキュメンタリー映画監督、映像アクティビストです。

 

ロンドン国会議事堂前で8年以上も家に帰らず反戦の抗議活動を続ける男性を記録した「ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1」(2009年、日本ジャーナリスト会議・黒田清JCJ新人賞受賞作品)など作品多数あります。

「安倍政権が法律を自分の都合良く作り変えようとしている」と批判された2020年の検察庁法改正案問題。そこに対する抗議「検察庁前テンピン麻雀大会『黒川杯』」動画の発表など、旬な時事ネタをフットワーク軽く取材し、それを映像共有サイトに無料公開して、世論喚起させるという映像アクティビストの側面は、現代的で評価すべき部分です。最近では、コロナウイルスをめぐって起きたYouTubeなどによる市民メディアへの検閲に対して問題提起もされています。

さらに特筆したいのが「映像ワークショップ」を開講し、市民の情報発信力を高めているポイント。誰もが映像アクティビストになるための法律(肖像権や製作時のトラブル対策)、撮影・編集・公開の手法を教える「映像ワークショップ」を開講し、自らのノウハウを共有しているのです。これは、記者クラブが象徴するようにメディアが本来果たすべき権力監視がなされない日本の現在で、一人一人が独立メディアになって世界を変革するというDIY精神、希望を具体的に創造しているという素晴らしい部分だと思います。

さらに今回から「B賞」も設けました。大賞には10万円と、副賞(オリジナルTシャツと活動紹介動画作成)がありますが、B賞は賞金のみ(3万円)です。

そのB賞は、「被ばく労働を考えるネットワーク」に決まりました。

 

「被ばく労働を考えるネットワーク」は福島原発事故以降、収束・廃炉作業や除染作業に携わる労働者の相談・支援を行う団体です。

国の除染では、多くの労働者が特殊勤務手当(危険手当)を中抜きされている事実を明らかにし、労働争議や国との交渉により労働者の利益と権利を獲得しました。収束作業では、放射線下の危険業務で1日10時間を超える違法労働が行われていることを告発しました。

また、収束作業で白血病の労災認定を受けた「あらかぶさん」の損害賠償請求裁判への支援なども行っています。

3.11から10年以上が過ぎ、ますます重要になる原発労働者に対する補償と支援を求めていく事は、息の長いサポートが必要です。その実績と、必要性が支持されました。

 

また、今回の授賞式は来年3月あたりを予定していますので、時々この「プロ市民」人権賞HPをチェックしておいてください。

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    古畑和子 (日曜日, 05 12月 2021 21:32)

    早川さんは「プロ市民」人権賞受賞に最適な方で、この受賞が彼女の今後のさらなる飛翔になること必ず!と嬉しい限りです。早川さん、おめでとうございます!!!

  • #2

    運営スタッフ (月曜日, 27 12月 2021 14:08)

    コメントをありがとうございます!
    はい、賞にふさわしい方だと思っています。
    3月の表彰式には、早川さんの活動紹介動画や早川さんをイメージしたTシャツなどを発表しますので、それらもご期待ください。